2008年12月01日

<バリアフリーの夜明け>
佐藤尚美(視覚障害者・入船在住)

 「Change has come to America(アメリカに変革の時がきた)」
 11月5日、アメリカの次期大統領・オバマ氏の勝利宣言のワンフレーズである。この演説の中には「障害者も、そうでない人も」という言葉もあった。歴代のアメリカ大統領の演説の中に、この言葉を初めて見つけたような気がする。
 また、彼の次の言葉は私の体験と重なり、共感を覚えると同時に勇気づけられた。「冷笑や疑惑、できるはずがない、そういう言葉に囲まれたとしても、私たちは信念を集めて次のように言い返すことができる。『私たちはできる!』と」
 私の体験とは、十数年前、市主催の障害者向けアメリカ研修事業に論文を書いて応募したときのことである。最終選考の場で、審査員の一人に「視覚障害者のあなたにこの論文が書けるはずがない。ましてや、女性のあなたに。ご主人が書いたのでは?」と、まさに冷笑と疑惑の言葉を浴び、落ち込んだ。
 そんな私に「お母さんが書いた論文だってことは私もお父さんも知っている。障害者には書けない、女性には書けない論文をお母さんは書けたってことでしょう。褒められたのよ。アメリカ旅行はお金を出せば行ける。でも、市から行くことに意義があるの。個人で行ってもいろいろな障害者施設を見ることはできないから、行けるまで挑戦してね」。娘の言葉で私は立ち直り、3度目の挑戦でこの事業に参加することとなった。
 「障害者福祉に変革がやってきた」と宣言できる日が来ることを信じて、このコーナーの筆を置くこととする。
 長い間このコーナーを読んでくださった皆様、視覚障害者のためにテープに吹き込んでくださった朗読グループ「はまゆう」の皆様、本当にありがとうございました。
 最後になりましたが、浦安ニュース社の影山栄子社長および、編集担当の影山桂子さん、ありがとうございました。
 また会う日まで。