2007年09月01日

<青木幸作のLet's do sports>
高地トレーニング
酸欠による頭痛、めまい、失神、死亡の危険もある

 世界競泳に世界陸上と、この夏たて続けに日本で開催された大イベント。速さや高さだけを競うシンプルさが感動を呼びます。
 ただ、こういった大イベント前に行われるマラソンなど長距離選手定番の高地トレーニング、ずいぶん前から行われてますが、これってどうなのでしょう? 平地に戻った時の持久力向上狙いで行うわけですが、今年3月には、標高1,900メートルの中国・昆明で水泳合宿を行っていた日本人学生が急死してます。因果関係は分かりませんが…。
 FIFA(国際サッカー連盟)は、標高2,500メートル以上の高地での試合を禁じました。ボリビアなど、高地に首都がある南米諸国の反対で、3,000メートル以上に改められはしましたが、酸素の薄い高地で激しいスポーツを長時間行えば、酸欠に陥り、選手の健康が阻害されるとの理由からです。
 低酸素に適応したカラダの持ち主でなければ危険極まりなく、こういった制限は持久性スポーツにあって然るべきです。
 その危険にさらして行われる高地トレーニング。長い年月をかけ、少しずつ低酸素に適応させるならともかく、わずか数週間では無理があります。
 組織だって行う際には医師を帯同させるケースが増えていますが、そもそも医師が必要になるということは、それだけ危険ということです。
 このトレーニングを行った選手に聞くと、頭痛、めまい、不眠、慢性疲労に悩まされるそうです。この症状はハイポキシア(低酸素症)という病気と同じであり、病気が進めば、意識喪失・死亡もあるとのこと。
 あえて病気にさせて行うトレーニング。ドーピングは非難されますが、似た行為が堂々と行われているのは不思議です。日本では成長過程の高校生も連れて行かれているようですから、問題です。低酸素が一番影響を及ぼすのは脳なのですから。
 (健康運動指導士、サッポロスポーツプラザPAL総支配人)