2007年06月01日

<青木幸作のLet's do sports>
心臓震とう
サッカーの胸トラップでも起こり夏の競技はAED必携

 今年に入ってAED(自動体外式除細動器)の話題をよく聞きます。3万人が参加した2月の東京マラソンでは、2人の方がこのAEDに救われています。いずれも心筋梗塞(こうそく)で、疾患の存在に気づかず、無理をしたのが原因だったようです。
 心筋梗塞の8割は心室細動(心筋が震えて血液を送り出せない状態)を起こすと言われています。その細動を電気ショックで除くのがAED。しかし、心疾患が原因でなくても心室細動は起きます。
 4月末には野球の試合中に胸に打球を受けた高校生が倒れました。たまたま観戦していた救急隊員が、近くに備えてあったAEDで処置を行ったため、命は救われましたが、その前の3月には中学生がサッカーボールを胸に受けた後、心肺停止となり、数日後に亡くなってます。近くにAEDはなかったようです。
 原因は定かではありませんが、頭への衝撃で脳震とうを起こすのと同じで、胸へ衝撃を受ければ心臓震とうを起こすそうです。サッカーの技術には胸トラップがありますが、注意しなければいけません。
 AEDは急速に普及が進んでいます。それでもアメリカの50万台超に比べ日本全国で10万台前後。あと5倍増えれば、救われる人も5倍になるので、消火器並みの普及が待たれるところです。
 ただ普及が進んでも「使い方を知らない」と逃げてしまうのが日本人らしく、普及率なみに救命率が上がるかどうかはわかりません。先のマラソンや野球のように専門家が近くにいなければでは、普及も実りません。
 AEDの取り扱いはいたって簡単。小学生でもできます。電源を入れれば、機器が音声で指示してくれます。電気ショックが必要かどうかも機器が判断してくれます。ただ、心肺蘇生法も知ってた方が救命率は上がります。ある医療関係者が「心肺蘇生法が入試問題に出れば」と言っていましたが、確かに方程式を覚えるより大事なことかもしれません。
 夏は脱水で血栓ができやすい季節。スポーツ競技が行われる会場にはAEDが必携です。レンタルもあるそうです。
 (健康運動指導士、サッポロスポーツプラザPAL総支配人)