2006年12月01日

<青木幸作のLet's do sports>
緊張
パニックやストレスを解くには深呼吸も一手段

 イヤな番組を見ました。お笑い芸人らに潜水の限界を競わせる番組です。どこまで死に近づけるかに挑ませるようなもので、どんな安全対策を講じていようが、一歩間違えば大事故。競泳でさえ潜行距離制限を設け、記録より安全を優先しているのに、マネする者が増えたらと、事故を見てきただけに心配です。
 さて、私事ながら年に数回参加しているマスターズ水泳。こちらの方は記録より健康と楽しさが優先です。しかし、少ないながらも、やはり事故は起きています。記録や順位にこだわらないと言いながらも、一応は競技。レース前の緊張も相当なものです。
 この緊張。適度なら能力を上げますが、過ぎると実力を出せないどころか、パニックにまで発展し、健康を害します。
 程度次第で成績を左右し、健康に影響を及ぼす緊張。コントロール可能ならスポーツに限らず、受験などにも役立つかもしれません。
 緊張すると、消化系が抑制され、心拍、呼吸、血圧、体温、筋といったものが昂進し、臨戦体勢に入ります。これらは脳内に分泌されるノルアドレナリンの働きによるもので、分泌量が過剰になるとストレスに陥ります。ですから、分泌調節が緊張のコントロールということになりますが、このホルモンの分泌は自律神経に支配されているため、自分の思い通りにはなりません。
 ただ、意思が通じる器官を介し、間接的に働きかけるのは可能です。脳は末しょうからの刺激に反応してホルモンを分泌させるわけですから、刺激がなくなれば、分泌量は減ります。
 ノルアドレナリンの作用は各器官に及びますが、筋や呼吸といったものには意思が通じます。ストレッチで筋の緊張を解いたり、深呼吸で呼吸の乱れを正したりするのは過剰分泌抑制の一手段です。
 専門的なメンタルトレーニングは、ノルアドレナリンを中和する力を育ててくれます。専門書などを参考に日ごろから鍛錬しておくのが緊張をコントロールする最もいい方法ではあります。
 (健康運動指導士、サッポロスポーツプラザPAL総支配人)