2006年10月01日

〈青木幸作のLet's do sports〉
ATトレーニング
有酸素←→無酸素の変換俊敏性がサッカーの極意

 オシムジャパンのキーワードは「考えて走るサッカー」。これまで日本代表が挑んだ〝ゾーンディフェンス〟や〝フラット3〟といった戦術の数々も走力なしでは考えられませんでした。
 走ることは基本中の基本であり「今さら」、という気がしますが、オーバーペースで足が止まるのを見ていると、基本に返って「考えて走る」のもトッププレーヤーには必要なことなのかもしれません。
 一口に「走る」といっても、ジョギング、ランニング、スプリントと、スピードによって呼び方が異なります。
 ジョギング~ランニングまでは有酸素運動で、スプリントになると無酸素運動。効能的には、脂肪を減らしたいならジョギング、心肺機能を高めたいならランニング、俊敏性を高めたいならスプリント、といったところしょうか。
 サッカーに求められるのは高いランニングレベル。スプリント力があっても、すぐに乳酸が蓄積して、続けられないのでは役に立ちません。一度乳酸が蓄積されると、除去するまで時間を要するので、肝心なところで走れないことになります。
 でも、乳酸は動的休息で早く除去されるので、止まっていてはいけません。回復のために軽く走るのです。
 少しでも高いランニングレベルを得るには、ただ走るのではなく、有酸素から無酸素に変わるレベルを把握し、そのレベル付近のスピードでトレーニングを行うことです。そのレベルをAT(アネロビックスレッショルド)といいますが、ATトレーニングを行っていくと、そのスピードがやがて有酸素側に傾いてきます。
 例えば、50㍍を10秒ペースで走った時がATだとすると、50㍍/10秒のトレーニングを定期的に続けているうちに、そのスピードでは乳酸が作られにくくなってきます。9秒台がATとなり、無酸素運動だったスピードが有酸素運動の範囲に入って、苦しくても、精神力でどうにかなってきます。
 ちなみに、若者のATは心拍数換算なら160~170拍/分ぐらいです。
 (健康運動指導士、サッポロスポーツプラザPAL総支配人)