2006年10月01日

乳がんで悲しまないために(1)
定期的に触る自己検診で早期発見を
東京臨海病院 乳腺外科 鈴木貴久

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 東京臨海病院は浦安市のすぐ隣で、葛西臨海公園近くの江戸川区臨海町にあります。電車ではJR「葛西臨海公園」駅あるいは東西線「西葛西」駅が最寄りになります。4年ほど前に私学事業団により設立されたばかりなので、まだ知名度も低く、浦安の方はご存じない方も多いかと思います。
 建物はホテルの設計士が手がけましたので、従来の病院のイメージから見ると、三角形の大変おしゃれな作りになっています。そのためテレビドラマの舞台になることもあるのです。
 診療科目は各科にわたりますが、中でも乳腺疾患の診療は江戸川区で2施設しかない乳癌学会指定専門病院としてレベルの高い医療を提供しています。
 日本人の乳がんは徐々に増加を続け、1995年に胃がんと入れ替わり、女性の悪性疾患第1位となっています。2004年には女性が一生涯のうちに乳がんにかかる割合が約30人に1人となりました。
 それでも日本人は欧米人と比較して乳がんになりにくいといえます。実際、アメリカでは約8人に1人が乳がんにかかるため国を挙げて検診に取り組み、受診率が65%を超えるようになって初めて死亡率を低下させることに成功しました。
 それに対して、わが国の乳がん検診受診率は20%にも達しておらず、残念ながら当面は死亡率の減少を望めないようです。
 一般に乳がんの危険因子には、加齢、家族に乳がんにかかった人がいる、高齢初産、未婚、肥満、早い初潮、遅い閉経、アルコール多飲などが挙げられます。
 また、乳がんの発症には女性ホルモンが深く関わっていることが分かっています。女性ホルモンは卵巣だけでなく脂肪からも作られています。元来、日本人が乳がんになりにくかったのは野菜中心の和食の生活だったからでしょう。乳がんを予防するには、肥満の防止、動物性脂肪の摂取を減らし、野菜、果物、豆類、穀類を多く摂る、飲酒の機会を減らす、適度な運動をすることなどが肝要です。
 さて、もちろん予防も大切なことですが、乳がんは自分で発見することができる数少ないがんの一つです。定期的に自己検診することは早期発見の第一歩です。
 検診も受診し、自分でもよく乳房を触ってみる。その上で何か気になるときは乳腺専門外来を受診しましょう。

 (すずき・たかひさ)▽昭和44年5月、中野区生まれ▽平成7年4月、順天堂大医学部卒▽同9年5月、同第2外科入局▽同10年5月、柳橋病院外科医員▽同13年1月、せんぽ東京高輪病院外科医員▽同14年4月、東京臨海病院外科医員▽専門=乳腺および一般外科▽所属学会=日本乳癌学会、日本外科学会、日本臨床外科学会、日本消化器病学会、日本内視鏡学会▽検診マンモグラフィー読影認定医▽お茶の水乳腺研究会常任世話人