2006年07月01日
<青木幸作のLet's do sports>
浮力
泳ぐより沈む方が難しい
水泳人にとってはどんなに暑くても夏が一番なのですが、ほかのスポーツ愛好家にとってはつらい季節です。
特に、ジョギングなどで健康・体力づくりを行っている人には劣悪な環境、熱中症に気をつけなければいけません。できれば、この季節だけでも水のスポーツに転向してみてはいかがでしょう? 空冷式より水冷式です。泳げなくても歩くだけでカロリーはかなり消費します。
さて、泳げない人のほとんどは「自分は浮かない」と思っているようですが、人体の比重を構成別にみると、骨が2、爪・毛髪1・2、筋肉・脳1・1、脂肪0・9です。
脂肪が少なく骨太で筋肉質、そして、長髪などの条件がそろっていれば浮きませんが、カラダには肺という比重の軽い空気をためる浮き袋があります。
肺いっぱい空気を吸い込めば、カラダの平均比重は水より軽くなります。普通の呼吸状態でも比重が1に達するかどうかぐらいですから、カラダの大部分は沈んでも、一部分だけは水面上に出ます。仰向けになってその一部分を口にすることができれば呼吸が行え、ずっと浮いていられます。
ただし、口、鼻、目以外の部分は極力沈めておく必要があります。浮かせるために沈めるのです。シンクロナイドスイミングでは上半身が出るぐらい水上に出ますが、これは手足の形状を利用して〝揚力〟という力を流体から得ているからです。飛行機の翼の原理と同じです。
何もしなければ浮くのですが、胸を浮力の中心としたバランスの取り方がうまくできないと沈んでいくような気がします。その不安から手足をバタつかせ、揚力が下向きに生じるような動きをしてしまうと、沈んでしまいます。
比重からすれば、浮くより沈む方が難しく、肺の中の空気を全部吐き出すか、手足を使って、浮力に逆らわないと沈めません。沈む方こそテクニックが必要なのです。泳ぐより難しいのです。
陸上でばかり運動していると、ひざや腰が駆使させられます。日ごろ駆使しているそれらを浮力を使っていたわってあげてはいかがでしょう、この夏だけでも。
(健康運動指導士、サッポロスポーツプラザPAL総支配人)
