2006年04月01日

<青木幸作のLet's do sports>
AED
〝力道山時代〟と違って誰でも使える救命装置

 日韓映画「力道山」が公開されています。力道山で思い出すのは流血シーン。当時、テレビ観戦していたお年寄りがショックのあまり、心臓発作を起こすほど衝撃的でした。
 スポーツ観戦中に心臓発作を起こす例は、現在でもサッカーの試合でよく聞きます。原因は別にあるにしろ、極度の興奮が誘因になることは事実です。心臓に異変を感じたらスポーツ観戦も慎んだ方がいいかもしれません。
 W杯ドイツ大会まであと二カ月ちょっと。日韓で開催された前回、日本の会場で問題になったことがあります。警備面や観客のマナーといったことではなく、会場にAEDが設置されていなかったことです。
 AEDとは、Automated External Defibrillator(自動体外式除細動器)の略で、心臓病大国であるアメリカでは消火器同様、どの施設にも置いてある救命装置です。
 日本では、医療行為にあたるとして、今は認められていても、少し前までは資格がなければ使えませんでした。そのため、何万人もが熱狂して興奮のるつぼと化すW杯会場にさえ置いていなかったわけです。
 何らかの誘因で突然、心臓発作起こすと、心室細動(心筋が小さく震える)を起こすことが多く、そのまま放っておくと死に至ります。しかし、細動している間に電気ショックを与えれば、細動が除かれ、再び正常に動き出す可能性が大となります。それは心停止から5分以内で、早ければ早いほど生存率が上がります。ちなみに、救急車が到着するまでに要する時間は全国平均で約6分だそうです。
 AEDの使い方は簡単。電源を入れてパットを張るだけ。あとは電気ショックが必要かどうかも機器が判断し、すべて音声で指示してくれるので、誰でも使えます。応急手当ての一つなのです。
 もし、意識を失って倒れている人がいたら、119番と近くにあればAEDを。ただ、AED処置後に人工呼吸などの心肺蘇生法が必要になることがあります。機会があれば、AEDも含めて専門機関で訓練を。けっして損はありません。
 (健康運動指導士、サッポロスポーツプラザPAL総支配人)